2008年12月03日

曜変天目茶碗の再現、メカニズム追求の足跡

先日、今までに一体全体どれほどの天目茶碗を成形し焼いてきたのか、大凡数えてみた。30年の間に焼いてきた数は、おおよそで3万個ほどであった。
もちろん、毎年焼いてきたという訳ではなく、実際に焼いた時間は合計すると5年ほどの間であるに違いない。
中にはタイル状のテストピースや杯型のテストピースも使った物もあるが、それでは結果が分かり難いので、実際に12cmほどの天目茶碗を作った数である。
私が曜変天目茶碗に興味を持ち、それのメカニズムについて素人なりに考え始めた頃には既に2人の方がそれの再現に成功したとして、新聞紙上などにも取り上げられていた事になるが、それすら知る由もなかった。
文献と言えば、平凡社から出版されていた陶磁器シリーズの「天目」:小山富士夫著と、その後に出版された出川直樹氏監修の「やきもの鑑定入門」くらいのもので、山崎一雄氏の論文「古文化財の科学」を読んだのは、それから数年後の事であったと記憶している。「天目」は、表紙から曜変天目の拡大写真が載っており、今になっても、この写真が本物の曜変天目のイメージを知らせてくれる一級の写真のように思えるもので、多くの事をこの本から学びもしたものだ。
やきもの鑑定入門」には、ただひとつ安藤堅氏が再現されたと言われる茶碗の写真が掲載されていたので、初めは、既に曜変天目の再現というものは終焉しているものだと思いこんでもいたものだ。
そもそも、曜変天目茶碗という物や中国の焼き物は興味などなかった事も事実であり、それが何故に3万個もの天目茶碗を作る事になったかと言うと、近隣で作陶されていた陶芸家の元を訪れたおりに、その作家さんが曜変天目の再現に躍起になっておられた事で、なんとなく興味をもったものでした。
失礼ながら言ってしまえば、その陶芸家も再現したと言って、地方新聞に掲載されていたのですが、素人の私の目から見ても、「これは違うだろう」と思ってしまった、この瞬間に心の何処かに「よし、俺が作ってやろう」という、バカな考えが浮かんだ事が切っ掛けでした。

最初は、油滴天目の釉薬に何か特別な金属を添加すれば、曜変天目になるのだろうというくらいの簡単な気持ちでした。
まだ、建窯の油滴も磁州窯系の油滴も見分けがつかない頃の話です。
釉薬調合の本に載っている油滴天目釉の調合に、片っ端からいろいろな金属を添加しては、試験していきました。
タングステンやモリブデン、バナジウム、など虹色発色の得られる物もあり、今日こそはと思いながら、窯焚きを続けたものです。
イットリウム、ガリウム、ベリリウムなどという見当違いな物まで、とにかく試していったのです。

もちろん、そんな試験をいくら繰り返した処で、曜変天目らしきものすら出来る筈がありません。
中には虹色の油滴斑が出来たりした事もありましたが、この頃はこの「虹色」という言葉に惑わされる事も多く、それは様々な本に書かれた虹色という言葉や虹彩という文字から来る勝手な思いこみでもありました。
マンガンラスター釉やチタン結晶釉、マンガン結晶釉などを虹色に呈色させてみたり、亜鉛結晶釉まども虹色に発色させる実験まで行いましたが、どうにもこうにも思ったような物にはなりません。
チタン結晶などが、バナジウムと化して三角形のハウスマナイト結晶は、曜変天目風に群れを成して析出したり、タングステンが多角形になって結晶したり、いろいろと惑わされながら、一向に埒はあきませんでした。
学校時代に化学で触れた事のあった、ファブリルガラスの技法や、アメリカなどでは昔から行われている、虹彩を発色させる技法なども行い、一度本焼きした黒天目の上から細工するなども試みましたが、綺麗なラスター性の、曜変天目によく似た斑紋は出来ますが、それが建窯の天目と同系列の物とはとても思えませんでした。

いろいろな化学的な方法を試し、行き詰まり、今度は天然の鉱物をテストする事に奔走しましたが、丁度、そんな頃に釉薬調合の著作でも有名な高嶋廣夫先生とお話する機会があり、そこで「瀬戸の磁器製造の会社の社長さんで、曜変天目に詳しい方がいる」という事を教えていただきました。
長江惣吉さん(先代)でした。
既に三越デパートで、曜変天目茶碗の個展を行われた後でした。
それから、交流を持たせていただいた長江先生とは5ねんほどの間に、いろいろなお話をさせていただきました。
長江先生も自分の作品には満足はされていなかったようで、電話で数時間もお話した事など、懐かしい思い出です。

そんな事をして、いろいろな実験ばかりを繰り返しているうちに、ある山地で採取してきた石粉を焼いた処、禾目天目が突然のように焼けました。
それまで、リチウムを入れたり蛍石を入れたりして、表面に吹き出した鉄分を無理矢理に流下させるような方法でしか出来なかった、禾目天目(兎毫盞)が、ある日突然のように、自分の窯から姿を現しました。
何と言う事のない、何処にでもありそうな火成岩だとは思ったのですが、たまたま粉状になっていたので、釉薬にするのが楽だと思い、採取して来た物でした。
或意味で、私はあっけにとられてしまいました。
曜変天目どころか、禾目天目さえ建窯と同じと思えるような斑紋は出来た事がなかったのに、何も考えずに焼いた茶碗にそれが出来ていました。
その頃には、中国での建窯の研究も進んで、陳顕求氏などの研究論文が出ていましたので、それに記載されていた建窯の禾目天目に関する釉薬の成分分析などを見て、調合しても全く上手く出来なかった物が、呆気にとられるくらい簡単に目の前に現れました。

油滴天目は、禾目天目のような訳にはいきませんでしたが、それでもいくらか成分を調整し、使用する粘土をいろいろと試している中から、これもある日突然、建窯の物に似た物が生まれ出ました。
油滴天目は禾目天目に比べ、釉薬の調合もさることながら、焼成雰囲気や使用する粘土の成分に敏感に反応するようで、二度目を焼こうと思っても、10回焚いて1回上手くいくかいかないかという厄介ものです。
しかし、ほぼ同じ釉薬を使って禾目天目と油滴天目が出来る事は、自分にとって大きな収穫とはなりました。
もしかすると、曜変天目も同じ釉薬で生まれるのではないかという、空想、妄想を楽しませてくれもしたからです。

こんな事が分かってから、私はそれまで保存していた、弁柄やマグネサイト、亜鉛などの化学薬品を全て捨ててしまいました。
やはり、自然界から手に入れた物でなければ焼き物は出来ない。
そう思ったからでした。
化学薬品を使って現れた虹色のラスターも、結晶も、斑紋も実につまらない物だと思えて来たのです。
そんな経験をしてから、50回か60回かした頃でしょうか、曜変天目と同じと思える斑紋は、私の前に姿を現しました。
色彩に関しては、まだまだ駄目でした。
何回か焼成するうちに、色彩は出来るが斑紋は出来ない、斑紋は出来るが色彩が出ないという事を繰り返し、青く見えたり、赤く見えたり、緑色に見えたりする部分が、見る角度によって動いて見える現象を持つ物も出来ましたが、この頃から確信した事は、今までに何度も書いてきたように「曜変天目とは一つの現象である」という確信にも似たものでした。
何故日本にある3碗(織田信長所有を入れても4碗)しか存在しないのかという疑問にも適切な説明が出来る事や、曜変天目が出来る原理についても適切な説明が可能であるからです。
しかし、そう思った途端に、私の曜変天目に掛ける興味は次第に薄れてしまいました。
陶芸家ではない私にとって、曜変天目が出来るメカニズムの秘密にこそ興味はあっても、その技法を使って、素晴らしい茶碗を作る事には興味が湧かないからというのが、正直な気持ちでしょうか。
結局の処、30年近くの年月を掛けて、大きな自己満足を味合わせていただいたという事のようです。



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曜変天目茶碗
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2008年12月02日

曜変天目茶碗の発生メカニズムと釉薬

「曜変天目茶碗の釉薬を教えてください」というお問い合わせを頂く事が多くありますので、再度、記しておきたいと思います。
まず基本的に、曜変天目の斑紋は結晶釉でも絵付けでも無く、素地土から何かが吹き出した物ではないという事です。(私論ですが、実証はしています)
であるからには、釉薬をいくら弄くってみた処で、あのような斑紋は生まれては来ない筈です。
強いて言うとすれば、曜変天目の釉薬と油滴天目の釉薬と、禾目天目の釉薬は、ほぼ同一の物であるということです。
もちろん、弱冠の相違は天然原料ですからありますが、基本的な釉薬は建窯の現地に拡がる、広大なラテライトと呼ばれる湿潤性気候が生んだ、鉄分を多量に含んだ鉱物という事になるのでしょうか。
風化の進んだ部分が胎土に使われ、風化の弱い部分が釉薬に使われたと考えるのが、理にかなっていると思われます。
また、建窯の天目茶碗の胎土と釉薬の成分比を見ると、燐酸の含有量から見ても木灰類が使用されている事は明かです。
ラテライト質の土やその未風化物に木灰を混ぜただけの単純な物だと、想像できます。
その木灰の元になった樹木を調べたいとは思いますが、なかなか断定出来るものではなく、純粋に一種類の樹木の灰を使ったとも限りません。
建窯の一体は、亜熱帯に属する地域なのですが、福建省で仕事をしてきた人に聞いてみると、付近にはブナ科の植物らしき樹木や楠の系統だと思える樹木が多かったように思うと言っていました。
また、建窯のサヤなどを見ると、茶碗に使われている粘土よりも鉄分の少ない物が使われており、茶碗に付いた土塊などを見ると、真っ白な物が産出する事も分かります。
明らかに、天目茶碗には意識的に鉄分の多い粘土が使われている訳です。
これが、焼き上がった茶碗の色彩的なものを考慮しているのか、出来る禾目の色調を意識した物なのかと云うと、その両方であると考えられます。
天目茶碗は、高台部分を直火であぶって使用された事も知られており、色合いの薄い素地では汚れが目だってしまう事も一因かもしれません。
釉薬と素地土の関係で云うと、曜変天目茶碗に限らずとも志野や黄瀬戸などは特に素地土の組成が釉薬の色合いや透明性に大きな影響を与える事が知られていますが、建窯の天目茶碗のような透明性の大きな黒釉の場合にも、素地粘土の組成は大きな影響を与えますが、禾目と油滴との相互関係にも大きく影響しているようです。


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曜変天目再現への道

いずれ分かる時が来るでしょうが、まずは建窯と同じメカニズムによる禾目天目が出来なければ、曜変天目の再現への道は開けません。


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ニセもの曜変天目を作る
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曜変天目の研究
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手描きの曜変天目茶碗

中国人作家の作られた物ですが、日本人作家の方が上手ですね。


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ラスター性を帯びた油滴天目

ラスター性を帯びる油滴天目は、釉薬の調合もさることながら、焼成方法と土の選択がとても難しいものです。


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油滴天目釉の販売
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ニセもの曜変天目を作る

ニセ物の曜変天目を作って遊ぶ為の上絵具です。


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2008年12月01日

金色禾目状ラスター釉のテスト




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ラスター釉の販売
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玳玻盞用上掛け釉の販売

中国の研究資料を元にして、上掛け釉と黒天目釉を割り出しました。

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2008年11月30日

新型金色ラスターの試験

金色に発色するラスター釉は人気が高いので、試験を行っています。


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金色ラスターの販売
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金彩ラスター釉のテスト

金彩ラスター釉は、見る角度によって金色の色調が変化して見える、非常に綺麗な釉薬です。


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織部の酸化被膜を除去するなら、トチシブ液が最適です。

昔から使われてきた、織部の被膜を取り除く為の、トチシブ液です。


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トチシブ液の販売
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青織部釉の販売




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膽礬(たんばん)の販売

一見すると、単なる炭酸銅にように見えるでしょうが、これが昔から黄瀬戸に使われた膽礬(たんばん)です。


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陶芸用の膽礬(たんばん)の販売
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黄瀬戸釉の販売



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2008年11月29日

小型薪窯(ミニ穴窯)の販売




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玉虫ラスター釉(マンガンラスター釉)の販売



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金色ラスター釉薬の販売




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玳玻盞用天目釉と上掛け釉を新発売

下に玳玻盞用天目釉を掛け、上掛けで専用の白釉を掛けると、丁度、吉州窯のような玳玻盞に焼き上がります。


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鳴海織部や赤織部、あからく(赤楽)の発色

鳴海織部や赤織部、あからく(赤楽)の発色
鳴海織部や赤織部、または、あからく(赤楽)を使用した鳴海織部などは、透明釉であれば、どのような調合でも良いという訳にはいかないようです。
これは、井戸茶碗の琵琶色でも触れましたが、長石釉を使用する事がベストです。
市販の石灰透明釉などでは、綺麗な発色が得られないばかりか、独特の色合いが全く失われてしまいます。
できうればカリ長石単味の釉が良いのですが、焼成温度の関係でそうもいかに場合には、カリ長石に少量の木灰で調整をした方が良い発色が得られます。


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上がカリ長石、下がソーダ長石


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曜変天目や油滴天目を生んだラテライト

写真は、建窯の粘土です。
建窯付近には、この真っ赤なラテライトの他にも真っ白なカオリンも産出されるようです。
茶碗を作る粘土と、サヤを作る粘土は別の物になっておりますが、茶碗の高台にくっついたままの真っ白なカオリンも資料として持っています。
ラテライトは、熱帯地方から亜熱帯地方に広く分布しており、福建省の建窯付近は、ラテライトの分布としては、北限にあたると言っても良いと思います。
日本でも福井県の若狭鉱山や長野県の宮川鉱山などでも、ラテライトは見つかっていますが、鉄分が30%から40%と多く含まれたもので、ニッケル鉱床を伴っているようです。
建窯付近のラテライト質粘土の、鉄分含有量は12%から15%程度で、これを天目茶碗に使用しています。
釉薬にも、同じようにラテライト類を使用している筈ですが、多少なりとも風化の度合いの弱い部分があったのだと考えられます。
ラテライトは陶器屋風に簡単に言ってしまえば、カオリンに鉄分が多量に含まれた粘土であり、アルミナ成分には富んでいますが、いかにせん鉄分量が多い為に、耐火度がそれほど高くはありません。
その為に、灰類を混合しただけで、簡単に釉薬化する物が産出されたいたのだと思います。


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天目釉の販売
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曜変天目・油滴天目と鷓鴣斑天目

この20年ほどの間に、中国の建窯に関しての発掘調査や科学分析は随分と進みました。その間に現れたものとして、鷓鴣斑天目という物があります。
禾目天目の釉上に、白い長石質のものが水玉上に配置されたもので、発見された当初は、かなり騒がれていたようでした。
曰く、「曜変天目や油滴天目は鷓鴣斑天目の仲間である」といった論調の物が多く見受けられたような気がします。
つまり、曜変天目の斑紋も鷓鴣斑天目と同じように、人工的に加飾されたものであると言い、またある研究者は油滴天目の斑点も鷓鴣斑天目の仲間であると云う意見のように見受けられました。
先に曜変天目を見ていた陶工が、跡から、その原理、メカニズムを知らずに真似をしようとして鷓鴣斑天目を作ったというのであれば、”なるほど”とも思えるのですが、これが反対であれば、どうしても納得の出来る意見ではありませんでした。
なによりも、この白い水玉模様にそれほどの論議をする程の価値を感じられないというのが、素直な感覚でしたが、今も中国ではこの問題に対する議論があるようです。
どちらかと云えば、むしろ建窯が吉州窯の加飾を真似ようとして失敗したと考える方が、自然なのではないかとさえ思えました。
何と言っても、禾目天目を始め、油滴天目、曜変天目など、建窯の製品は、釉薬の窯変に任せた製品作りにこそ魅力があり、鷓鴣斑天目のような人工的な物には全くと言ってもよいほど魅力を感じる事が出来ません。


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陶芸釉薬:天目釉の販売
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亜鉛結晶釉薬の販売




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亜鉛結晶釉薬の販売
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志野の鉄絵の顔料は何が良い?

「志野を焼きたいのですが。鉄絵の顔料は何が良いですか?」という質問を受ける事がよくあります。
結論から言うと、永い時間をかけてやくのであれば”水打ち”が良いと答えるようにしています。
一般的には、志野の鉄絵を描くには”鬼板”が良いと言われていますが、鬼板は褐鉄鉱の一種であり、少々鉄分が強すぎるように思えます。
一般的な鬼板は、鉄分を40%ほどほど含んでおり、志野の長石釉を突き破って、上まで出てきた際には赤く発色はしてくれますが、色が臙脂色がかっています。
”水打ち”は鉄分は25%内外しか含んでいませんが、鉄絵の機能としては充分で、化学的には水酸化鉄に属する天然の鉄分であるせいか、厚い長石釉を通すと橙色がかった、綺麗な赤色の発色が得られるようです。
水打ちに似た鉄分として、”そぶ”がありますが、元々は鉄類を食べる細菌類の死骸が地表に浸みだした物がほとんどのようで、時として油分なども含むこともありますが、志野の鉄絵の顔料としては、水打ちに次ぐ物でしょう。
水打ち→そぶ、鬼板の順で、焼成時間などをお聞きしながらお勧めするようにしていますが、唐津の絵付けなどには”そぶ”の方が”滲み”が出来て良いという方が多いように見受けられます。


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陶芸用絵具:水打ちの販売
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予感:黄瀬戸の膽礬(たんばん)と鈞窯の紅斑と器形


黄瀬戸は安土桃山時代の後期から、美濃で焼かれた焼き物である事には違いありませんが、以前からの俗説として、黄瀬戸は青磁を焼こうとして失敗し、酸化してしまった為に黄色くなってしまったのだというものがあります。
それとは別に、元々あった灰釉に徐々に長石分を増やしていった為に、黄瀬戸になったのだというものもあり、故加藤唐九郎氏の説では、黄瀬戸は金器を写したものだということです。
しかし、私は以前から黄瀬戸に施されている膽礬(たんばん)が、非常に気になっていました。
また同時に鈞窯に見られる凝った器形や輪花形のものが、黄瀬戸のそれと共通するように思えてならないのです。
つまり、鈞窯の製品に多く見られる、銅成分を塗った紅斑を、酸化焼成して緑色の膽礬(たんばん)になったのではないかと、勝手な想像をしたのです。

また、黄瀬戸は青磁を焼こうとして失敗した物だとの説も、単純に龍泉窯などの青磁釉を酸化焼成すると、”米色磁”言われる物に焼き上がりますが、黄色と言うにはちょっと違いがあるように感じますが、鈞窯の主流である月白釉を酸化焼成すると得られる、黄色い色合いの方が、黄瀬戸に近い発色です。


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鈞窯釉の販売
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井戸茶碗の琵琶色の発色と釉薬の重要性

井戸茶碗のいろを指して、琵琶色という事が言われます。
井戸茶碗が焼かれたであろう朝鮮半島の南部には、花崗岩地帯が拡がり、豊富なカオリン質の粘土の宝庫です。
井戸茶碗の持つ独特の琵琶色を表現しようとして、以前から萩焼の粘土である大道土や金峯土などに、沖に浮かぶ黒毛和牛の故郷でもある見島から採掘される赤土を混ぜる事で、この琵琶色を得る事が多かったようです。
しかし、この見島土も今現在は入手が困難となり、今後はほとんど使えなくなってしまうようです。
韓国の研究者によると、井戸茶碗に使われた物に似ている粘土は、現在では朝鮮カオリンピンクCと呼ばれている、比較的低品質の鉄分混じりの粘土だそうで、韓国の作家さんは、このピンクCカオリンに現地で採取される黄土の類を混ぜて使っているようです。
試験を行ってみると、朝鮮カオリンをあまり細かく水漉せずに20目程度の篩いに通し、それになるべく活性の悪い黄土の類を混合する事でよく似た琵琶色の発色が得られます。中国黄土などは、あまりお勧めできません。
意外と活性が高い事と、あまり綺麗な発色をしてくれません。

しかし、陶土の配合もさることながら、井戸茶碗のような琵琶色を得る為に重要な事は、釉薬の性質にあります。
出来るだけ長石単味による「長石釉」が綺麗な発色を手助けしてくれます。
市販の石灰透明釉などでは、ほとんど発色してくれません。
また、使用する長石もアプライト系の釜戸長石などでは、茶色味を帯びてきますので、できうる限り純粋な正長石に近い物、例えばインド長石などを使用すると鮮やかな発色が得られます。
木灰の配合は少量ならそのままの発色が得られますが、出来うる限り、長石のみの釉薬を使用する事をお勧めします。
また、焼成温度は低めの方がより発色は良好ですので、最高温度も1200度程度に止めておいた方が良さそうです。


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陶芸用、長石釉の販売
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2008年11月28日

宜鈞窯の鉢

宜鈞窯は、鈞窯の模倣品を生産した窯です。
この製品は、あまり鈞窯らしさが出ていません。

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鈞窯釉の販売
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建窯の窯跡の土

建窯の窯跡で、物原などに散乱している土です。


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陶芸釉薬の販売はうわぐすり屋さん
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結晶釉

陶芸で使用する結晶釉というと、亜鉛結晶釉やチタン結晶釉などが代表的なものですが、釉薬に使用する成分のほとんどは、過剰に加える事によって、何らかの結晶作用を起こします。
それが肉眼で確認し易いものを結晶釉と呼び、結晶が細かすぎるものをマット釉などと呼んでいますが、今までにほとんどの結晶作用を起こす鉱物は試験がされてきましたが、未だにその着色によるバリエーションは、全てが確認されたという訳ではないようです。


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結晶釉の販売
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曜変天目のメカニズムは、特殊だが簡単な現象

「曜変天目の発生するメカニズムは解明しました」と言っても、「全く同じ色をした曜変天目茶碗を見せてみろ」と、言いたい人が多い事は分かります。
しかし、私は「曜変天目とはメカニズムであって、稲葉天目と同じ色の事ではない」と説明すると、皆さん、つまらなそうな顔をされます。
「どうせ、偽物だろう」とか「どうせ勝手な思いこみだろう」くらいにか、思われないのでしょうが、仮に稲葉天目に似た色の物であれば良いのであれば、それを作る事は有る意味で簡単な事です。
現在、一部の作家さんが「曜変天目を再現」などと言われて発表されているような、上絵付けされたものでれば簡単にできますし、これに100年以上前にティファニーで開発されたガラス装飾の技法を組み合わせる事で、更に似た物が出来上がります。
上絵付け用の絵具の融点を上げて、黒釉薬の下に仕込んでも、それが釉薬の上に現れる事で似た物は焼けますし、ある金属の結晶核を作って素地に仕込んでも、黒釉の上に曜変天目に似たような結晶を作る事は可能です。

しかし、似て非なる物ではなく曜変天目のメカニズムを研究したいと心の底から思っている方は、是非とも静嘉堂文庫、藤田美術館、龍光院の3碗の曜変天目の本物を実際に見てください。
写真では似ているような物でも、実は全然違う事や、またその本物の3碗も共通するのは、あの不思議な曜変斑紋の形態と配列であって、一箇所一箇所の斑紋の形態にはだいぶ違いが存在する事に気づかれるでしょう。

もっとも、私は現存する3碗は同じ窯焚きから生まれた物だと思っていますし、おそらくは轆轤を回したのも同じ人物ではないかとも思っています。
非常に狭い範囲での作陶と、1回だけの窯焚きから生まれ出た物であると考えています。私の考えている曜変天目のメカニズム、発生する原因はそれほど特殊なものだと考えているからでもあります。
しかし、特殊ではあっても、それが難しい事であるとは言っていません。
その時の窯焚きの様子は目に浮かぶようでもあり、決して再現不可能な事ではありません。
曜変天目が発生するその瞬間をビデオに収めろと言われれば、出来る事ですが、どうも今の世の中は「それほど似てはいないが論理的に正しい物」よりも、「似て非なる物」の方が好まれるような時代のようですので、あえてそのような事は行わないようにしてきました。
もちろん、もしこれを公開すれば、相当頭の堅い評論家でも、納得せざるを得ないはずです。


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曜変天目の研究
http://www.geocities.jp/retechnical/youhenindex.html

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黄瀬戸釉に最適な天然木灰(加藤唐九郎氏の黄瀬戸)

以前は黄瀬戸というと、”あやめ手”のような黄瀬戸を焼きたいとか、”菊皿手”の黄瀬戸を焼きたいというのが、大方の陶芸をされる方の言い方でしたが、今は”油揚げ手”の黄瀬戸が焼きたいという風に変わってきたように思います。
この油揚げ手の黄瀬戸を望む方の脳裏には、以前とは違って現在は故加藤唐九郎氏が焼かれた、輪花鉢や三国志の英雄の名前を銘とした”関羽”とか”張飛”とかの作品が浮かんでいるのではないかと思えて仕方がありません。

結果から先に言いますと、加藤唐九郎氏の黄瀬戸は還元焼成された黄瀬戸です。
しかも、終始還元焼成された物ではなく、ある温度域で還元焼成されて酸化焼成と複雑に組み合わされた窯焚きから生み出されたものです。
なので、本来は黄瀬戸には発生し難い”コゲ”が現れています。

もう20年近く前に、この加藤唐九郎氏の黄瀬戸の輪花鉢を目にして、自分でも焼きたいと思い、いろいろと試行錯誤した事がありました。
まずは土の選定から始め、次ぎに使用する木灰を探さねばなりませんでした。
ご多分に漏れず、最初は”備長炭”の灰を集める事から始め、ある程度集まった処で、10回ほどの窯焚きをしてみましたが、どうも調子がよくありません。
そこで、30種類ほどの木灰を集めて様々な窯焚きを試してみた処、その中の2種類が、還元焼成で綺麗な黄色に発色し、しかもザラザラ感のある、いわゆる”油揚げ手”に近い物に焼き上がりました。
実は、これは”椿灰”と”カエデ灰”でした。
そこで、その後に何回もの窯焚き、昇温と降温のやり方を変化させては試しました処、ある焼成パターンで、自分としては案外と気に入るような焼き上がりの黄瀬戸が出来ました。
しかし、当時に使用していた0.25?のガス窯に50個ほどの作品を入れて焼いても、気に入る調子にあがる物は、ほんの5個か6個あれば良い方でした。
これはと思い、今度はカエデの葉だけの灰という、なんともバカバカしい物を作り、挑んだところ、非常に満足の出来る黄瀬戸茶碗が出来上がりましたが、この灰だけは、二度と作る気になれませんでした。
何と言っても、10kgほどの灰を作る為に、山中のもみじの木の下から、葉っぱを箒で集め、軽トラックで30回も運ばねばならなかったからです。

今でも、還元焼成用の黄瀬戸釉を作る事は可能ですが、不安定な為になかなか商品化などは出来ないと思っています。



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黄瀬戸釉の販売
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